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暑い夏場のランニングで、脱水症にならないための基礎知識と水分補給の方法

給水をする女性

暑い夏場のランニングでは、汗をかいて、多くの水分を体外に出してしまうため、十分な水分補給がないと、脱水症のリスクが増加してしまいます。ランニング中に予期しない脱水症を起こさないように、あらかじめ対策をしておきましょう。

【目次】

脱水症の症状と原因

脱水とその原因

脱水症は、カラダから失われる水分量に対し、摂取する水分量が不足することで起こる症状です。体内の水分量は体重の約60%程度で、運動することにより汗をかいて体内の水分量が低下することで、脱水症が起こります。暑い時期に外で2時間程度の運動をした場合、発汗の量は 2リットルを超えると言われます。

脱水症の初期段階では、喉に渇きを感じる程度ですが、汗をかき体内の水分量の 2%程度を失うあたりからは、目まいや、吐き気、疲労などの体調不調を感じるようになり、気温が 30度の場合には明らかなパフォーマンスの低下が起こります。水分量の 3%を失うと発汗がなくなり、汗によるカラダの冷却ができなくなるため、体調はさらに悪化していきます。

水分を失うのと同時に、汗にはナトリウムやカリウムといったミネラル成分も含まれるため、一緒に体外に排出されていき、筋肉の痙攣の原因に繋がっていきます。

ランニング中に現れる脱水症のサイン

ランニング中の脱水症のわかりやすいサインは、喉に感じる渇きです。渇きを感じた時点で、脱水の症状は既に進行しているため、速やかな水分の補給が必要になります。また、指先にむくみや張りを感じる場合も、脱水症が進んでいるサインになります。

脱水症にならないための給水方法

日差しを避ける女性

ランニングに出かける時は、あらかじめ十分な水分の補給をしておくようにします。走りに行く 2時間くらい前から 500mlのペットボトル程度の水分を小まめに飲んでおくと、カラダが水分を十分吸収した状態でランニングに出かけられます。

走る前に水分を十分摂っていて、20分程度の短時間のランニングであれば、熱いな中で途中の給水がなくても、走った後にすぐに給水をすれば良いため、問題が起こることは少ないでしょう。それ以上長い時間のランニング場合は、走りながら給水することを念頭にプランを立てた方が良いでしょう。

水分は飲んでから吸収される小腸まで到達するのに 30分程度かかり、吸収できる分量は 1時間に500~800ml程度のため、給水は早い段階から小まめに少量ずつ補給するのが良い方法です。小まめに行なうには、給水ボトルなどを持って走らないと難しいですが、目安として 15分~20分程度の間隔で、1回に200~250mlを摂るようにします。カラダが渇きを感じている時は、一度に多くの水分を飲みたい気分になりますが、大量の水分の投入は、吸収が追いつかないため、お腹の調子が悪くなったり、お腹がタポタポする状態になるため、一気に飲むことは避けて適量を摂るようにします。

定期的な給水をするためには、ボトル付きのウェストポーチを持って行ったり、水飲み場のある公園などの周回コースの利用や、あらかじめ給水のできるスポットを探すなどして対応します。コース途中の自動販売機やコンビニエンスストアで、飲料を購入しつつ走るのも一つの方法です。

給水スポットを探すには、スマホアプリ「mymizu」を利用することで、給水ポイントを見つけたり、自身で新しいスポットを登録することができます。

水分補給におススメのドリンク

ランニングなどの運動をしている時は、水分を何で補給するかが重要になります。水分を必要とするカラダに、速やかに水分と栄養成分の吸収を促してくれるドリンクを選ぶことが、良いパフォーマンスにも繋がります。

スポーツドリンク

スポーツドリンクは、速やかに体内に吸収されるように調整されているため、運動時の給水に適しています。ナトリウムなども、適量が配合されているため、汗で失われるミネラルの不足も解消してくれます。冷凍できる「ポカリスエット アイススラリー」は、カラダを効果的冷やすことができ、100gの飲みきりタイプで持ち運びも便利なため、おすすめの商品です。

スポーツ系ゼリー飲料

ゼリー飲料は、1袋が 200ml程度で手頃な大きさのため、携帯にちょうど良く、水分とともにエネルギーの補給も可能です。フレーバーも色々と発売されているため、ランニング中に飲めば、疲れたカラダをリフレッシュできます。飲み終わった後は、コンパクトになるため持ち帰りもラクです。ただし、ゼリー状に固形にするため寒天も入っているため、これだけで長時間のランニングの水分補給を満たすのは難しいでしょう。

ミネラル麦茶

カロリーを抑えめに水分補給をしたい人におススメなのが、ミネラル成分を含んだ麦茶です。通常の麦茶に加え、スポーツ向けの麦茶も発売されています。

麦茶飲料はカロリーがほぼないため、ダイエット中の人でもカロリーを気にしないで飲むことができますが、エネルギー補給にはなりません。また、スポーツドリンクなどよりミネラル成分が少なく、大量の汗をかいた場合の補給には足りないため、塩飴やミネラルのタブレットなどを併用すると良いでしょう。

気をつけたい点としては、紙パックなどで売られているの麦茶には、ミネラル分が含まれていないことです。そのため購入する時は、パッケージの栄養成分表示で確認してからお買い求めください。

トマトジュース

トマトには、汗で失われる塩分や抗酸化作用のあるリコピンが含まれており、肌に日差しを受けることが多いランナーにはトマトジュースは、おすすめの飲料です。トマトジュースには、塩分が配合されない食塩無添加の商品もあるため、購入する際は確認が必要です。

サントリー「すっきりしたトマト」や、バヤリース「さらさら毎日おいしくトマト」などは、濃すぎずサラっとしていて飲みやすく、自動販売機でも売っているので、手軽に購入ができます。

ココナッツウォーター

ココナッツウォーターは、みずみずしい味わいでカリウムなどのミネラル分が含まれています。糖分が少な目なため、エネルギー補給には向いてませんが、ランニング後の水分補給に適しています。

ノンアルコールビール

ランニングが終わったら一杯飲みたいという、アルコール好きランナーも多いですが、汗をかいて消耗している時にアルコール飲むのは、利尿作用で脱水を促進してしまい、かえって脱水が進んでしまいます。そこで、アルコールなしでビール風味の、ノンアルコールビールで代用してみてはいかがでしょうか。タンパク質が取れるおつまみと一緒にいただけば、栄養補給にもなります。

ノンアルコールビールは飲みごたえが違うため、物足りなさを感じるなら、ゆっくりと休息をはさんでから、アルコール飲料をいただきましょう。

水の飲み過ぎには注意が必要

水の飲み過ぎには注意も

ランニング時の給水は必要なことですが、一方で水分の飲み過ぎにも注意が必要です。

運動した後の渇きで、カラダは水分を欲しますが、欲求に任せて一気に水分を摂り過ぎると内臓に負担がかかり、お腹の状態を悪くすることがあります。ひどい場合には、お腹を下してしまうので、過度の摂取は避けるようにしましょう。

また、ミネラル成分が入っていない飲料の場合は、飲み過ぎによって血液の成分が必要以上に薄まってしまうため注意が必要です。運動後のカラダは、汗とともにミネラルなども体外に排出しているため、血液に成分が不足している状態です。その状態に水分を注いでしまえば、さらにその成分が薄まってしまいます。

この血液成分が薄まった状態は「水中毒」と呼ばれ、頭痛や吐き気、下痢などの症状を引き起こし、最悪な場合死に至るケースもあります。

2018年の「ロンドンマラソン」では、ある女性ランナーが完走をした後、「低ナトリウム血症」を発症し、救急搬送された事例もあります。彼女は脱水症状を気にするあまり、給水所で小さ目のペットボトルで12本以上を飲んでいたとのことです。

ロンドンマラソンの低ナトリウム血症を起こしたランナーの記事(英語)
London Marathon runner left fighting for her life in coma after drinking too much water|Metro News

自分にあう給水を実践する

給水する女性

水分補給が上手くできれば、夏場の脱水のリスクを減らせるだけでなく、暑さによるパフォーマンス低下を軽減できるため、秋からのマラソンシーズンに向けて質の良いトレーニングを積むことができます。

ランニングに出かける前の体重と、帰ってきた後の体重を比べてくみてください。多量の汗をかく夏場であれば体重が大きく減っており、その多くが失われた水分になります。体重の1~2%減っていた場合は、軽い脱水症状になっていたと考えられます。そうして確認できた数値を目安にすることで、自分に適した給水法を実践して、暑い夏のランニングをうまく乗り越えていきましょう。

マスクの装着について

マスク装着イメージ

夏場のランニングでのマスクは、不快感があり、息が上がりやすくなるため、あまり装着したくはないものです。しかし、2021年は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、マスクを装着する場面が多くあります。

屋外でのランニングでは、健康な状態で他者と適切な距離(ソーシャルディスタンス)が十分とれるのであればマスクをする必要はありません。そのため、人の少ない道や時間帯を選んでランニングを行うと良いでしょう。もし、人が多い場所で道が狭かったり、すれ違いが多い場合は、マスクを装着して息が上がらないようにスピードを緩めて走ると良いでしょう。

暑い中でマスクやバフなどのネックゲイターをして走るの時は、給水のタイミングに気をつける必要があります。マスクを着けることにより、口や鼻の周り、あるいは首まで布で覆うため、熱気さが籠り、呼気に含まれる湿気により喉の渇きを感じにくなります。そのため、脱水症に陥らないように、小まめに給水を行なうようにすることが大事です。