アウトドアで活躍するタフなスマートウォッチ「Amazfit T-Rex 2」の機能説明と実機レビュー

セットアップについて

「Amazfit T-Rex 2」の製品内容は、本体と充電ケーブルとユーザーガイド、セットアップガイドの 4点です。セットアップは QRコードをスマートフォンで読み込み、専用アプリ「ZEPP」を通して実施するためスムーズに行えます。レビュー時では、ウォッチ側での初期設定では日本語が選択できなかったため、とりあえず英語を選択しておき、スマホアプリの “Zepp” を経由して、日本語に設定することができました。セットアップの手順は少ないため、すぐに使用を始めることができます。

ウォッチの使い方に関しては、付属するユーザーガイドは最小限の情報のみのためで、詳しく知るためにはオンライン上にある PDFのユーザーガイドを見ることになります。

ボディと操作性について

「Amazfit T-Rex 2」のウォッチのボディは、タフネスウォッチというキャッチコピー通りに、一目で堅牢さを伺えるデザインになっています。アウトドアで想定される高温多湿、氷点下などのあらゆる過酷な環境にも対応できるように、高い堅牢性と耐久性を実証する 15種のMIL規格準拠テストをクリアし、ウォッチの耐久性能を実証しています。ストラップは、頑丈な留め具と、手前で固定されている定革と好きなところでホールドできる遊革の 2つの固定具により、腕にしっかりと固定できるようになっています。

こうした強固なデザインのためストラップを含む重量は 66.5g、サイズは 47.1×47.1×13.65mm（縦×横×厚さ）と大き目のため、手首の細い人が装着するとフィットしづらさがあるかもしれません。また、日常生活向けのスマートウォッチと比べると存在感があるため、24時間の常時着用には向いていない感じがあります。

このウォッチは、100m相当の水圧に耐えられる 10ATMの耐水性能に加え耐塩性能をもつため、プールや海で着用していても問題ありません。

ディスプレイについて

ディスプレイは 1.39インチと広さがあり解像度も高く、細かい情報を見やすく表示してくれます。画面には十分な明るさを持つため、太陽光の反射がある時間帯でも見やすい明るさに設定が可能です。ディスプレイの点灯に至るまでのタイムラグは短いため、ストレスを感じさせません。また、下位機種では装備されていない常時表示や長い時間の表示にも対応しており、ロングバッテリー性能の恩恵もあり長い間の表示ができるようになっています。

ウォッチフェイスはデフォルトでインストールされている 8種類のほか、スマートフォン経由で数十種類から好きなデザインのものを選べるようになっています。

操作性

操作は左右に 2づつあるボタンと、タッチスクリーンで行います。タッチスクリーンはスムーズな操作感で、ほとんど全ての操作をすることが可能になっています。ボタンは一部の機能では必要ですが、どちらかといえばショートカットの割り当てによる簡単操作や補助的な役割に留まっている印象です。

スポーツ機能について

スポーツ機能は充実しており、ランニングやトレイルランニングなどの有酸素運動をはじめ150種以上のスポーツモードを持っています。ランニングは自動認識で計測を始めるモードに設定しておけば、走り出すと同時にオートで計測をスタートさせてくれます。

ランニングの追跡に必要な位置計測は、同時に2つの衛星電波を利用できるデュアルバンド位置測位システムと 5つの衛星測位システム（GPS、GLONASS、Galileo、BDS、QZSS）に対応しているため、精度が上がっています。このことにより衛星電波が捉えやすくなっているため、ウィッチがスタート時に衛星を捕らえられなくて、なかなかスタートを切れないということがほぼなくなり、ランニングモード起動後に短時間で走り出すことができるようになっています。

ランニング後は、ウォッチ上で距離やタイム、高低差、ケイデンス、ストライド、消費カロリー、ラップタイムに加え、グラフで心拍数・心拍ゾーンとペースを、ウォッチ上で確認ができます。また、最大酸素摂取量（VO2 Max）や完全回復時間、トレーニング負荷、トレーニング効果といった付随するデータを独自の機能により算出してくれるため、トレーニングに生かすことができます。

新しい機能として、ルートをナビゲーションする 5つの機能が加わっています。リアルタイムでのルートの表示やGPXデータを取り込んでのルート表示、辿ってきたルートを戻れるようにナビゲートするルートリターンナビゲーションなどです。地図自体を取り込める機能ではないものの、ルートの間違えが起こりやすいトレイルなどで、客観的にルートを確認できるツールとして使える機能になっています。

バッテリーと充電

Amazfitブランドのスマートウォッチのバッテリーは従来より長時間稼働が可能な性能を持っていますが、「Amazfit T-Rex 2」では、バッテリー容量が500mAhに増加したことで、最大持続バッテリーが、Amazfitの定める標準的な使用をした場合、前モデルで 18日間だったものが 24日間へと拡大しています。こうした長時間稼働は、充電が煩わしいと思っているユーザーにはとても歓迎できるアップデートです。また、高精度 GPSモードで使った場合は最大26時間、省電力 GPSモードでは 最大58時間でウルトラマラソンなどでも活躍します。充電方式は簡単に使用ができるマグネット式のプラグを使うため 約2時間でフル充電ができます。

スマート機能・その他の機能

ヘルス機能は、Amazfitブランドのハイエンド機種の「GTR3 pro」と同等の機能も備えています。ユーザーの一日中の心拍数、血中酸素、ストレスレベルをモニターし、1回のタップでこれらの数値をユーザーの呼吸数とともに同時測定することができます。また、日常使うスマート機能も不足なく搭載されており、アプリの追加により機能を増やすことも可能になっています。

総評

「Amazfit T-Rex 2」の魅力は、アウトドアに特化したモデルという点に集約されています。堅牢さと耐久性が一目でわかるデザインのカッコよさは、同ブランドのウォッチの中では随一です。また、ディスプレーの見やすさタッチパネルの反応の良さは、ユーザーに使いやすさを提供してくれています。スポーツ・ヘルス機能も充実しており、GPSの精度が向上していることは好印象でした。

ウォッチに重量があるためロードのランニングにはあまり向いてなく、トレイルランニングやハイキングなどのシーンで活躍してくれます。また、ウォッチのボディに大きさがあるため手首の細い人では、フィット感が落ちるかもしれません。フィット感に関しては個人の好みになるので、一度装着してみての判断になると思います。