アシックス「GEL-KAYANO 33」レビュー|実際に20km走って感じたクッション性と安定性

アシックスの「GEL-KAYANO 33」は、安定性とクッション性を重視したランニングシューズ「GEL-KAYANO」シリーズの最新モデルです。長距離のランニングや日々のトレーニングを支えるモデルとして、長く支持されてきたシリーズでもあります。

今回はGEL-KAYANO 33を実際に購入し、シューズ各部の作りや実測重量、サイズ感・フィット感をチェック。さらに実際に走り、クッション性や安定感、走り心地をレビューします。

スペックだけでは分かりにくい履き心地や、使用して気になった点についても紹介していきます。

GEL-KAYANO 33とは

「GEL-KAYANO 33(ゲルカヤノ33)」は、アシックスのランニングシューズの中でも人気の高い「GEL-KAYANO」シリーズの最新モデルです。長距離のランニングでも快適に走れるよう、安定性と快適な履き心地を追求しています。

これからランニングを始める方やフルマラソン完走を目指す方をはじめ、日々のジョギングや長距離のトレーニングなど、幅広いランナーが使えるシューズです。価格は22,000円(税込)です。

「GEL-KAYANO」シリーズは、2018年のボストンマラソンで優勝した川内優輝選手も、ジョギングなどで使用していることを過去のインタビューで明かしています。初心者だけでなく、トップレベルのランナーにもトレーニング用途で選ばれてきたシリーズです。

外観とシューズ各部をチェック

アッパー

GEL-KAYANO 33 のアッパー

アッパーには、部位によってメッシュの編み方や密度を変えることで、通気性やフィット感、サポート性などを調整したエンジニアードメッシュ素材を使用しています。

実際にアッパーを確認すると、外側には薄く目の粗いメッシュ、内側には目の細かな生地を配置した2層構造となっており、2つの素材は一体化しています。薄いメッシュ1枚で構成されたアッパーと比べると、全体的にしっかりとしたつくりです。また、側面から見ると、シュータン上部とかかと部分にはリング状のパーツが配置されています。

つま先には形状を保つための硬めのパーツが配置されています。前足部にかけては横幅が比較的広くとられており、足幅が広めのランナーにも合わせやすい形状となっています。

GEL-KAYANO 33 のシュータン

シュータンは内部のパーツと一体化しており、左右にずれにくいつくりです。シューレースはシュータン上部にあるパーツの内側を通す特徴的な構造となっており、足の甲を包み込むように固定します。

GEL-KAYANO 33 のヒール部分

履き口の周囲には厚めのパッドが配置され、足首からかかと周辺を包み込むようなつくりです。さらに、かかと部分には硬めのヒールカウンターが配置されており、かかとの動きを抑えながら、しっかりとホールドする構造となっています。かかと上部のリング状のパーツは、シューズ履く時に引っ張ることで着用を容易にしてくれます。


ミッドソール

GEL-KAYANO 33 のミッドソール

「GEL-KAYANO 33」を横から見ると、上下の2層に分かれた形状の異なるフォームが配置された厚めのミッドソールが目につきます。

上層部には、やわらかく反発性に優れたクッションフォーム材“FF BLAST MAX(エフエフブラストマックス)”、下層部には上層部よりも硬い“FF BLAST PLUS(エフエフブラストプラス)”が配置されています。また、かかと部には衝撃緩衝機能“PureGEL(ピュアゲル)”が内蔵されていますが、外観からはその姿を確認することはできません。

GEL-KAYANO 33 の内側と外側のミッドソール差異

さらにミッドソールを内側と外側から見比べると対称ではなく、それぞれ形状が異なっています。特に内側は土踏まずからかかとにかけて上層のフォームが大きく張り出したような形状で、外側から見てもボリュームがあります。

「GEL-KAYANO 33」では、新たなスタビリティ機能として“FLUIDSUPPORT(フルイドサポート)”を採用しています。足の動き全体をスムーズにサポートし、走行時のかかとの接地からつま先の蹴り出しまで、安定した足運びを支える機能です。


アウトソール

GEL-KAYANO 33 のアウトソール

アウトソールには、2種類のラバー素材を組み合わせた“HYBRID ASICSGRIP(ハイブリッドアシックスグリップ)”を採用しています。全面をラバーで覆うのではなく、接地する箇所を中心に配置され、その間からミッドソールのフォームが見える構造になっています。実際にアウトソールを見ると、接地面には形状の異なる2種類のパターンが確認できます。

また、着地時に負荷がかかりやすいかかと部には、耐久性に優れたラバー素材“AHARPLUS(エーハープラス)”を採用。アシックスによると、従来のラバーと比較して約3倍の耐摩耗性を備えています。

GEL-KAYANO 33 のアウトソール屈曲具合のチェック

ソール全体の硬さを確認するため、シューズを両手で持って曲げてみましたが、かなり硬く、力を加えてもほとんど曲がりませんでした。手で確認した範囲では、ソール全体の屈曲性は低く、しっかりとしたつくりになっています。

「GEL-KAYANO 33」のサイズ感・フィット感

購入時のサイズ選び

今回購入した「GEL-KAYANO 33」のサイズは25.0cmです。購入時に試着したところ、25.0cmでサイズはぴったりでした。ただ、甲周りの余裕があまりなく少し不安を感じたため、一度ワイドモデルも試着しています。

ワイドモデルでは横幅に余裕ができたものの、シューズの中で足が横にずれてしまったため、最終的には25.0cmのスタンダードモデルを選びました。

購入した“スポーツDEPO”の店舗ではザムストの計測機で足形を測定してもらいました。その結果、私はアーチが高く、甲も高めで、さらに横幅が少し広いという特徴的な足形とのことでした。そのため、標準的な足形の人と比べると、ランニングシューズを選ぶ際には、足長だけでなく横幅や甲周りのフィット感についても、より注意して確認する必要があるようです。


履いたときのフィット感

実際にシューズを履いてみると、アッパーにはシューズ内で足がずれないよう、しっかりとしたホールド感があります。つま先には1cmほどの余裕があり、シューズの中で指を曲げられる程度のスペースも確保されています。

一方で、足全体の密着度は高く、フィット感はとても良好です。足とシューズとの一体感も高く、購入時にワイドモデルを試着した際に感じたような横方向へのずれはありません。

また、かかと部分にはリング状のパーツが付いており、シューズを履く際にここを引っ張ることで、スムーズに足を入れることができます。


履いて分かったフィット感の問題

全体的なフィット感は良好ですが、私の足形との相性で気になる部分もありました。シューズを履いた状態では、親指の付け根付近がシューズの形状から圧迫感を受け、その部分に軽く痛みを感じます。

前述したように、購入時の足形測定では、私はアーチが高く、甲も高めで、さらに横幅もあるという特徴的な足形とのことでした。そのため、圧迫感については「GEL-KAYANO 33」の問題というよりも、シューズの形状と私の足形との相性による部分もあると考えています。

サイズ自体が小さいという感覚とは異なり、つま先には適度な余裕があります。同じように甲が高い方や足幅が広めの方は、試着時にサイズだけでなく、親指の付け根周辺に当たりや圧迫感がないかも確認しておくとよいでしょう。

実測重量と履いたときの重量感

「GEL-KAYANO 33」の重量は298g(メンズ/片足・海外公式値)、259g(ウィメンズ/片足・海外公式値)で、ドロップは8mmとなっています。また、靴底の最大の厚さ(スタックハイト)は約40mmです。今回購入した25.0cmの重量を実際に計測したところ、片足260gでした。

厚みのあるミッドソールなど、見た目にはボリューム感のあるシューズですが、手に取ったときの印象はかなり軽く感じました。実際に履いてみても軽さを感じ、フィット感も高いため、見た目から想像する以上に軽く感じられます。

実走で感じたクッション性と安定性

実際に走ってみると、まず感じるのがソールの高いクッション性です。足裏にはふかふかとした感触があり、着地して体重をかけるとミッドソールが変形しながら衝撃を受け止めてくれます。足裏全体がソールに密着する感覚も強く、特にかかとから土踏まずにかけてクッションのボリュームを感じます。

筆者は土踏まずが高いハイアーチで、足首が内側に倒れ込むオーバープロネーション気味ですが、「GEL-KAYANO 33」では土踏まずがつぶれるような感覚がなく、安定して走ることができました。着地から蹴り出しまでの体重移動もスムーズで、かかとからつま先へと足を運ぶ過程をシューズが促してくれる感覚があります。その間もミッドソールが足の動きに合わせて変形しながら、足裏を支えてくれます。

また、靴底の接地面が広いため、着地時のぶれが少なく、足首を含めて高い安定感があります。悪路や下り坂でも不安定さを感じにくく、シューズが足元を支えてくれることで、脚への負担も少なく感じました。走行中にシュータンがずれることもなく、足元のフィット感が保たれています。

クッション性の高さは、足腰への衝撃の感じ方にも表れています。特にふくらはぎから膝にかけての負担が少なく、長い距離をゆっくり走るときや、脚に疲労が残っているときにも使いやすいシューズだと感じます。レース後などにそのまま履いていられるほどクッション性が高く、リカバリー用途にも使いやすい印象です。

一方で、クッション性と安定性に比重を置いたシューズであり、強い反発力で前へ押し出されるタイプではありません。速さを求めるというよりも、足元を安定させながら快適に走り続けることを得意とするシューズです。

長い距離を走ったときの履き心地

GEL-KAYANO 33 を履いて走るランナー

20kmの距離を、1kmあたり5分30秒~6分00秒ほどのペースで走り、長い距離を走ったときの履き心地を確認しました。

走り始めから10km付近まではシューズのクッション性やサポートを十分に感じることができ、脚にはほとんど疲労を感じませんでした。特にふくらはぎの状態は良く、不安を感じることなくフレッシュな状態を保って走ることができました。

10kmを過ぎたあたりからは徐々に脚の疲労を感じるようになり、それに伴って序盤に感じていたシューズのクッション性も少しずつ弱くなっていきました。後半になって疲労から腰が落ち、走行フォームが崩れてくると、シューズのサポートも受けにくくなるように感じます。

一方で、フォームを維持して走れているときは、疲労が出てからも着地から蹴り出しまでの脚運びをシューズがサポートしてくれる感覚がありました。「GEL-KAYANO 33」では、足の動き全体をスムーズにサポートする“FLUIDSUPPORT(フルイドサポート)”が採用されていますが、長い距離を走ったときにも、その特徴を感じることができました。

20kmを走り終える頃には、序盤に感じていたソールのふかふかとした感触はほぼなくなり、クッション性の低下を感じました。一方で、土踏まずを支える感覚は最後まで残っており、サポート性については20kmを通して大きく失われることはありませんでした。

フィット感については、甲が高い私の足形では親指の付け根に圧迫感があり、少し痛みを感じる場面もありました。ただし、20kmを走っても、それ以上に状態が悪くなることはありませんでした。一方、左足の前足部内側、親指の付け根の裏側にあたる部分では、ソックスとの間で擦れているような感覚がありました。

試走を通して「GEL-KAYANO 33」は、十分なクッション性と安定性を備えており、長い距離でも安定した走りを続けやすいシューズだと感じました。特に、ハーフマラソンやフルマラソンの完走を目指すランナーや、一定のペースを維持して走りたいランナーと相性が良いと感じます。

一方で、レースでタイムを狙うことを最優先する場合は、より軽量で反発性の高いレーシングシューズの方が適しています。「GEL-KAYANO 33」はスピードを追求するというよりも、安定した走りを長く続けたいランナーにおすすめしたいシューズです。

GEL-KAYANO 33 まとめ

「GEL-KAYANO 33」を実際に履いて走ってみて、一言で表すなら「至れり尽くせり」なランニングシューズという印象でした。

ふかふかなクッション性、ブレを抑えた安定性、シューズとの一体感を得やすいフィット性に加え、履くときに便利なリング状のパーツなど、快適に走るためにあってほしい機能が備わっています。特に、初めてランニングシューズを購入する人にとっては、有力な選択肢のひとつになると思います。

また、豊かなクッション性と安定性を備えているため、普段のジョギングはもちろん、疲労が残っているときなど、脚の負担を抑えるリカバリー用としても使えると感じました。初心者だけでなく、日々のトレーニングで快適性や安定性を重視するランナーにも取り入れやすく、幅広い用途で活用できる一足です。

GEL-KAYANO 33 スペック

製品概要
商品名
GEL-KAYANO 33
価 格
22,000円(税込)
サイズ
[Men's] 24.5~29.0cm(0.5cm刻み)、30.0cm、31.0cm、32.0cm
[Women's] 22.5~26.5cm(0.5cm刻み)
ウィズ
[Men's] スタンダード/エキストラワイド
[Women's] スタンダード/ワイド
重 さ
[Men's] 298g(メンズ/片足・海外公式値)
[Women's] 259g(ウィメンズ/片足・海外公式値)
ソール
ドロップ 8mm(海外公式値)
発売日
2026年6月18日(木)
URL
GEL-KAYANO 33 特集|アシックス公式

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