音楽を聴きながら走る時は「BPM」にこだわったプレイリストを作って快適にランニングをしよう

BPM ランニング

好きな音楽を聴きながら走ることは、爽快さがあり気持ちよく、疲労感の軽減やネガティブ感情を軽減して気分を高揚させることで、運動時のパフォーマンスが上がる効果があります。そこで、ランニングする時に、どのようなタイプの楽曲を組み合わせれば、より効果的に働くのでしょうか。

「BPM」とピッチ

ランニングをしている時に聴く音楽のキーワードに『BPM(Beats Per Minute)』というものがあります。これは、音楽の演奏のテンポの単位で、1分間に刻まれる拍数を表しています。多くの楽曲では、ドラムなどの打楽器を打ち鳴らして、リズムをコントロールしている速さが『BPM』にあたります。速い曲の BPMであればピッチが増えてスピードに乗りやすく、ゆったりとした曲の BPMであれば、ゆっくりとしたジョグになります。

ランニングでの 歩数(ピッチ)と BPMを上手くあわせれば、音楽のリズムに同調した走りができます。自分自身の走力にあったピッチを元したプレイリストを作ることで、心地よいランニング体験をすることができます。

ピッチとスピード

ランニング時の 1分間の歩数にあたるピッチの数値は、ランナーの走力やフォーム・走法により異なりますが、おおよそ 150~180歩程度になります。ピッチが増えるとともに、1歩の幅(ストライド)が広くなっていく傾向があり、1kmあたりの歩数は減っていきます。

1キロのBPMとストライド幅と歩数
10min/km
150bpm | 0.67m | 1500歩
9min/km
153bpm | 0.73m | 1380歩
8min/km
156bpm | 0.80m | 1250歩
7min/km
160bpm | 0.89m | 1120歩
6min/km
163bpm | 1.02m |  980歩
5min/km
166bpm | 1.20m |  830歩
4min/km
171bpm | 1.47m |  680歩

競技者でみると、素早い脚の回転数を生かしたピッチ走法だった高橋尚子氏と、脚力を生かした力強いストライド走法だった野口みずき氏では、ピッチとストライドの数値が、わかりやすい差となって表れます。

トップアスリートでは、野口みずき選手はピッチ197歩、ストライド151cm(身長の101%)、高橋尚子選手はピッチ209歩、ストライド145cm(身長の89%)程であったと言われており、掛けると時速18km(3:20/k)前後のものすごいスピードになります。

Vol.3 ハイピッチを持続させる筋力の強化|McDavid

1分間のピッチを知る方法

自分が走っている時の 1分間のピッチは、スマートフォンアプリや、ランニング向けのスマートウォッチで、ピッチやケイデンスを測定する機能があれば確認することができます。例えば、STRAVAアプリでは、ケイデンスの項目から知ることができます。

自分自身で 1分間に刻むピッチを計算する方法として、下記の 2つを紹介します。コンディションによりピッチに変動があるため、数日に分けて複数回測り平均を取ると、より正確に測れます。

計測方法1
ストップウォッチで1分間を設定して、その間の歩数をカウントする方法です。1分だと歩数が多くカウントしづらい場合は、20秒の歩数を測り、それを3倍にします。

計測方法2
1歩の時間から1分間のピッチを計算する方法です。片足で50歩(両足で100歩)の時間を測定します。計測した時間から1歩の時間を計算します(計測時間÷100)。さらに、60秒を1歩の時間で割って、1分間の歩数を算出します(60÷1歩の時間)。

楽曲の BPMの測り方

楽曲の BPMは、有名な曲であれば検索して見つけられる場合もありますが、そうでない曲は自分で調べる必要があります。曲を聴きながら拍数を数えるのは難しいですが、スマートフォンのアプリやウェブサイトのツールを使えば調べることができます。なお、曲目やツールによっては正しい BPMを計測できない場合があります。

「SORT YOUR MUSIC」を利用する

SORT YOUR MUSIC

Spotifyのアカウントを持っていれば、Spotify APIを利用したウェブサイト「SORT YOUR MUSIC」を使って、Spotifyのプレイリストにある楽曲の BPMなどのデータを見ることができます。さらに、プレイリストに入っている曲を BPMの数値で絞り込んで、新しいプレイリストの作成ができます。

「GetSongbpm」を利用する

GetSongbpm

ウェブサイト「GetSongbpm」を利用すれば、曲名、アーティスト名、アルバム名から、楽曲ごとの BPMを検索することができます。アーティストにより、見つけられる曲数が少ない場合がありますが、TOOLSの項目にある「MP3 TO BPM」を利用することで、MP3ファイルから BPMの計測ができます。

Get Song BPM - Find the Tempo
https://getsongbpm.com/

スマホアプリ「JVC Run & Music」

JVC Run & MusicJVC Run & Music

ケンウッドが提供する「JVC Run & Music」は、スマートフォンのストレージに保存されている音楽ファイルの BPMを自動計測して、曲名とともに表示してくれます。プレイリストの自動生成やペース設定機能なども備えており、ペース走やビルドアップ走にあわせて自動的に選曲をしてくれます。

画面のタップ数で計測するアプリ

自分で曲を聴きながら、テンポをに合わせスマホの画面を一定時間タップすることで BPMが調べられるアプリです。アプリストアで『BPM』で検索すると「BPM COUNTER」のような名称のアプリが複数ヒットします。

プレイリストを作ってランニングに出かけよう

自分のピッチと楽曲の BPMを把握したら、さっそく好きなアーティストやジャンルから、条件に合う曲を見つけてプレイリストを作成しましょう。選曲する基準は、目的とする BPMに近い曲です。できる限り近い BPMで選曲することで、一定のスピードで走りやすくなります。例えば歩幅が 1mの人で 155~165bpm の間で 10bpmの振り幅がある選曲をした場合、1分も最大 10mの誤差が出てきてしまいます。こうした幅を少なく留められれば、より快適なランニングができるプレイリストになります。

お気に入りのプレイリストができたなら、それは走るモチベーションになり、ランニングをより楽しい時間にしてくれます。ただし、音楽を楽しむことに気を取られすぎて、周りに気を使うことを忘れないように安全を確認しつつ、ランニングに音楽をプラスしたランニングライフを楽しみましょう。

オススメのランニング向けイヤホン

音楽を聞きながらランニングをする時の必須アイテムとして、スポーツ向けのイヤホンがあります。ランニングに適しているのは、コードがない Bluetooth対応で、雨の日でも使える防水・防滴仕様のものです。加えて、外の音が聞こえるタイプのものであれば、音楽を聴きながらでも耳から危険を察知でき、安全を確保できます。