コロナ禍で盛んに開催されるようになった「オンラインマラソン」の特徴と選び方のポイント

秋から春先にかけては多くのマラソン大会が開催される "マラソンシーズン" と呼ばれる季節がやってきます。しかしながら、コロナ禍にある 2020年は、例年と異なるシーズンを迎えようとしています。

感染拡大防止のため、大きな規模の大会は軒並み中止になり、多くのランナーは走り込みの成果を試す場を失っています。そんな状況の中で、スマホアプリやGPSウォッチの機能を活用した「オンラインマラソン」「バーチャルマラソン」と呼ばれる大会方式が、クローズアップされるようになりました。

中止になった大会の代替えイベントとして行われたり、独自のイベントとして企画されるなど、2020年の夏頃から徐々に開催件数が増えてきました。秋以降は開催件数も多くなり、盛んに行われていく模様です。

「オンラインマラソン」について

「オンラインマラソン」の方式が盛んになった理由は、コロナ禍にあり、多くの人が集まり一斉に走るリアルな大会が開催できないことに起因しています。それまでも、オンラインを使った走り込み企画や、チャレンジイベントなどはありましたが、ここ最近の大会そのものをオンラインで行うというものは、ほぼありませんでした。そのため、イベントとしてのまだ経験値は少なく、まだ手探りで大会としてのやり方を模索している状態にあります。

「オンラインマラソン」の特徴

「オンラインマラソン」の特徴として、自由度が高いことが挙げられます。特定のコースが設けられないため、コースを個人で自由にコースレイアウトができ、開催日も特定の日時に限定されることはほとんどなく、ある程度の期間が設けられるため、好きな時に走ることができます。

また、種目で指定されている距離は、1回で走りきる以外に、複数回走った距離の累積でも完走になる大会が多くあるため、初心者ランナーでも参加がしやすくなっています。

大会の開催方式

大会で多く見られる方式は、GPSトレーニングアプリ「TATTA」をはじめとした、既存のGPSスマホアプリを利用して行われるものです。GPSアプリを利用しオンラインで行うことで、これまでのように開催場所に多くの人が集まることがなく、大会やイベントの開催を可能にしています。しかし、大会の方式がテンプレート化して似通ってしまう傾向があり、大会ごとの差別化を図りにくくなっている側面があります。

一方、11月の「越後謙信きき酒マラソン オンライン」は、ZOOMアプリを利用し相互に通信しながらトレイルランニングを行う企画したり、同じく11月に開催の「オンラインLIVEマラソンJAPAN」では、新しく開発するオリジナル専用アプリを使い、全国同時一斉スタートを実現しするなど、新しい試みも行われてきています。

参加する時に意識したいこと

「オンラインマラソン」では、走るコースが特定されていないため、どの大会にあっても、いつもと同じコースを走ってしまえば、マンネリを感じてしまうかもしれません。何回も「オンラインマラソン」に挑戦するのであれば、大会ごとにコースを変えるなど、自分なりの楽しみ方を見つけると良いでしょう。

公道などの共有の道を使い参加するランナーは、安全面に気をつけなければなりません。走るコースは、通常のマラソン大会のように、交通規制などが行われているわけではなく、車や自転車、歩行者も通ります。順位をつける大会もあるため、1秒でも早く走りたいかもしれませんが、周りへ注意や配慮を行い、安全に走って、大会に参加しましょう。

「オンラインマラソン」を選ぶポイント

先にも書いたように、現時点でオンラインマラソンは、大会方式での差別化が図りにくいですが、付加価値を見出すことで、参加する大会を見つけることができるかもしれません。ここでは、参加する大会を選ためのポイントを4つ挙げていきます。

種目で比べる

ロードレースであれば、フルマラソンやハーフマラソン、10kmランなどがあるので、自分の走力に見合った種目を選びます。トレイルランニングなら、距離にプラスして累積標高も、完走のための要素に加わってきます。また、ウルトラマラソンの場合、複数回の距離の合計で完走とされる大会であれば、普段は参加を避けてしまう距離へのエントリーも可能になってきます。

友人と一緒に参加をしたいという場合には、オンライン上でのリレーやチームマラソンのような種目を行う大会もあるので、参加してみても良いでしょう。

参加賞や完走賞で比べる

ほとんどの大会では、参加賞や完走賞が用意されています。これらは、他の大会との違いを出しやすいところであるため、各大会ともチカラを入れている部分です。定番のオリジナルTシャツやタオルをはじめ、地産の特産品や名物、地元のスポンサー企業の商品など、大会ごとに趣向をこらしたものが用意されています。

また、抽選などを使った特別賞がある場合には注目です。当選者が限られる分、豪華なプレゼントがあるかもしれません。人気のある大会では、次回大会の参加権も商品に含まれている場合もあります。

スポーツメーカーが主催する大会では、自社商品などがプレゼントの対象になっていることがあるので、チェックしていきたいところです。

エントリー方法で比べる

エントリー時に、一般枠のほかに、付加価値のコースが付いたエントリー枠を設けている大会があります。地産の特産品やグッズなどがあらかじめ付属しているエントリー枠であれば、走る以外の要素を楽しむことができます。

思い入れで比べる

これまでに参加した事のある大会で、良い思い出や経験があるのであれば、参加を決める一つのきっかけになります。また、地元や出身地などの馴染みのある地域の大会があれば、地域への還元として参加してみても良いでしょう。

「オンラインマラソン」の今後は?

「オンラインマラソン」は、新型コロナウイルスの影響が終息に向かうまで、しばらく盛んに行われ、新しい切り口の大会方式なども登場してくることでしょう。もし、そうしたものを多くのランナーが受け入れて浸透していくのであれば、コロナ禍が終わったとしても、一つの大会の形式として継続していく可能性もあります。

2020年10月~12月の間にオンラインで参加できるバーチャルマラソンやイベント
http://hashirou.com/article/page/virtual-marathon-2020-october-to-december

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