マラソン大会の現状にスポットを当てたNHKの「クローズアップ現代+」の放送内容と配信情報

マラソン大会 イメージ

2017年11月8日(水)に放送された「クローズアップ現代+」では、「マラソン大会ウォーズ~激化する市民ランナー獲得競争~」とマラソン大会をテーマにした放送をしました。「地域にもランナーにも幸せなゴールはあるんでしょうか」で始まったこの番組では、近年のマラソン大会の現状や傾向を特集した内容でした。

2007年の「東京マラソン」の開始から徐々に過熱してきた市民マラソンブーム。ここ 10年で大会の数が1.5倍に増え、その数は2、3千の大会と言われます。しかしながら、ランナー数は 2012年の 1009万人をピークを迎え、2016年では 893万人に減少、頭打ちの状態になっていると、冒頭で語られました。

大会の主催や共催をすることが多い地方自治体では「相互参照」という、互いに振興策で何をしているかを見渡す現象が起こるそうです。そこで、地域を活性化に一役買っていた、マラソン大会が注目され各地で盛んに行われるようになったとのことです。

成熟期を迎えているマラソン大会ですが、飽和状態になりつつもあります。その例として番組では、今年で大会の開催が最後となった「種子島ロケットマラソン」の取り上げました。「種子島ロケットマラソン」は今年で30回を迎え、比較的長く開催されてきた大会で、川内優輝さんもお気に入りの大会の一つだったそうです。しかし、参加ランナーの減少や税収の減少、バックアップ企業の撤退、そして同時期に近隣の地域で大型マラソン大会が立ちかがったことが重なり、やむなく開催をやめるという結論に至ったそうです。

その反面、参加者からの支持を集め、多くのランナーが参加する大会もあります。ランナーの楽しみとなっている「給食」や「完走賞」を工夫している大会がそれです。

「冨里スイカマラソン」は給水所にスイカが置いてある大会として以前から人気でしたが、最近では「スイーツマラソン」「グルメラン」といった給食にスポットを当てた大会が人気になっています。番組では、参加者が15年で10倍になった、長野県で開催される「小布施見にマラソン」を取り上げ、特産のリンゴや野沢菜、和牛が食べられる給水所を紹介し、ランナーが美味しそうに食べる映像が映し出されました。

「完走賞」が豪華で工夫のある大会としては、ゴール地点でイケメン男子から完走賞のティファニーのペンダントが渡される「名古屋ウィメンズマラソン」が、女性の心をつかむ大会として紹介されました。

他のコーナーでは、ランネットの大会ランキングで著しく評価を下げた「さいたま国際マラソン」を取り上げ、その原因と今年の大会に向けた施策を紹介したり、シンプルに走りそのものを掘り下げた「つくばマラソン」の取り組みを紹介しました。

最後のコーナーでは、中国や台湾などをはじめとした、海外からのランナーを「爆ラン」として、「新潟シティマラソン」の様子を映しました。この大会には外国人ランナーが90人が参加し、大会の充実したサービスに満足そうな表情を作っていました。

番組の締めの言葉として「これまで大会がランナーを選んでたのが、今後はランナーが大会を選ぶようになる」というものがありました。ランナーにとっては選択肢が増えて嬉しい状態ですが、地域にとっても幸せなゴールテープを切ってもらいたいものです。

この番組は “NHKオンデマンド” の見逃し配信(有料)で、2017年11月22日(水)まで視聴ができます。

NHKオンデマンド | クローズアップ現代+ 「マラソン大会ウォーズ~激化する市民ランナー獲得競争~」
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2017082369SC000/index.html