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夏のランニングで、強い日差しと紫外線に負けないための日焼け対策

強い夏の日差し

長い時間をかけて屋外を走るランニングは、強い日差しの夏だけでなく、柔らかい日差しの冬でも太陽の光を浴びるため、一年を通し紫外線の影響を受けます。特に夏場の太陽の光は、紫外線の量が多く含まれるため、意識して紫外線の対策をしたいところです。

【目次】

なぜ日焼けがいけないのか

夏の日焼け

日焼けは、日光に含まれる紫外線を浴び続けることで、表皮下にある細胞組織が損傷を受けることで起きます。夏の強い太陽の光が照りつける日に、対策をしないでランニングなどの屋外活動をすると、その影響を強く受けてしまいます。

軽度の日焼けでも、皮膚にダメージを与え潜在的なシミやソバカスの原因になり、ひどい場合には焼けどの症状が現れます。また、日焼けで起こりえる危険性として、皮膚ガンのリスクが増加することが指摘されています。

<主な紫外線の影響>
  • 皮膚の老化を早め、シミ・シワの原因になる
  • 髪の毛の水分をうばい、パサツいた髪になる
  • 目のトラブルの原因になる
  • 皮膚ガンのリスクが増加する可能性がある

アメリカでは、たるみのある老け顔のことを「ランナーズフェイス(Runner's Face)」と呼ぶそうで、屋外を走り回るランナーの肌が、紫外線の影響でシミやシワなどが起こりやすいことも、その呼称の一因にあるようです。

ランニングは主に屋外で行うスポーツで、日焼けとは切り離せない部分があるため、正しい知識のもと、適切な対策を行うことが重要になります。

日差しが強い季節と時間

日差しが強く紫外線が多い季節や時間帯は、ある程度は経験から感じ取ることができますが、改めてデータで見てみます。

日最大UVインデックス(解析値)の月別累年平均値グラフ日最大UVインデックス(解析値)の月別累年平均値グラフ|気象庁

日焼けの原因となる紫外線は、一年を通して降り続けますが、多いシーズンは4月から9月までという事が、東京都の年間グラフに表れています。とりわけ、7月・8月の2ヶ月間は最大の値を示しているため、より気をつける必要があります。

月最大UVインデックス(観測値)の時別累年平均値グラフ月最大UVインデックス(観測値)の時別累年平均値グラフ|気象庁

1日の中では、正午をはさんだ10時から14時の間が、日差しの強い時間帯になります。7月の茨城県つくば市のデータを見ると、11時から13時の間は強い紫外線を受けるため、夏場のこの時間帯に走るのは避けるた方が良いでしょう。

曇りの日の紫外線の変化

紫外線が強いシーズンでも「曇っていれば大丈夫」と思いがちですが、思いのほか多くの紫外線が降っています。気象庁によると『快晴の時に比べると、くもりの場合は約60%』としています。また、雲の間から太陽の光がのぞいているような日は、雲からの散乱光により、快晴の日よりも紫外線が多いということもあるようです。

<天候による紫外線量の変化>
  • 快晴  :100%
  • うす曇り:約80~90%
  • 曇り  :約60%
  • 雨   :約30%

標高による紫外線の変化

トレイルランニングをする人は、標高による紫外線の強さを気にかけた方が良いかもしれません。気象庁によると『一般的には、標高が1,000m高くなると紫外線は約10%強くなる』とされています。樹木が生い茂っているような場所では、日影が多く紫外線の影響は少なくなりますが、標高が高く、木がないような場所では、日光に当たる時間が多くなるため、日差しを意識して積極的に対策をした方が良いでしょう。

紫外線に負けないランナーの日焼け対策

ランニングは屋外で行うことが多いため、日焼けすることが避けることが難しいスポーツですが、ランナーがとれる紫外線の対策としては、次の4つが挙げられます。

<ランナーの紫外線対策>
  • 日差しの強い時間を避けて走る
  • 日焼け防止アイテムを身に着ける
  • 日焼け止めを塗る
  • アフターケアで症状を和らげる

日差しの強い時間を避けて走る

日差しの強い時間を避けて走る

一番確実な方法は、太陽が出ていない、もしくは低い位置にある時にランニングをすることです。日差しを受けなければ、日焼けをすることがないため、日差しがないか、少ない時間帯を選びます。

夏場の日中、太陽が高い時にランニングすることは、日焼けだけでなく、体力を消耗し脱水や熱中症になるなど、体調に悪影響を与えることがあります。その点からも日差しを避け、夜間や、気温が上がらない朝の時間帯、日が落ちはじめてからの夕方の時間帯に走るのがおすすめです。

日中に走る場合でも、樹木が多い公園や低地のトレイルなどのスポットなどの日影が多いエリアを選んで走れば、比較的快適に走れます。


日焼け防止アイテムを身に着ける

日焼け防止アイテムを身に着ける

太陽が高い時間帯でも、日差しを直接皮膚に浴びないようにすることで、紫外線の影響を減らすことができます。UVカット機能のあるウェアを身につけるとともに、アームカバーやタイツなど、露出する部分を覆うことができるアイテムを取り入れるのも対策になります。

夏にランニングをする時、帽子は必須アイテムになります。強い日差しから頭皮や髪を守ってくれるだけではなく、熱射病の対策にもなります。首元までカバーするネックカバー付きのキャップもあるので、首まわりを焼きたくない人にはおすすめです。

また、日差しによりダメージを受けやすい「目」についても、帽子を被りツバの部分で影を作ることで保護ができます。帽子の着用とともに、UVカット仕様のサングラスを併用すると、より効果的な目の保護になります。サングラスは、路面からの照り返しの光もカバーするスポーツ仕様のモノを選ぶと、より効果的です。


日焼け止めを塗る

日焼け止めを塗る

日焼け防止のアイテムを身に着けていても、日光が直接肌に当たる箇所には、十分に日焼け止めを塗って肌を守るようにします。ランニングの時につける日焼け止めは、汗や水に強いウォータープルーフ仕様のもので、長時間の強い日差しをブロックできる「SPF40以上・PA+++」以上のものを選ぶようにします。アウトドア用であれば「SPF50+・PA++++」のような、より効果の高いタイプがあります。

注意したいポイントは、効果が強いタイプは肌への刺激が強く、肌荒れになることがあることです。肌が弱い人は、低刺激性やうるおい成分配合のものなど、自分の体質に合うものを選ぶようにしましょう。

日焼け止めを塗る際は、十分な量を使いあまり伸ばし過ぎず2度塗りをして、しっかりと紫外線をガードできるようにします。焼けやすい鼻筋や頬骨部分や首後ろなどは、塗り忘れのないように意識して塗ります。耳は塗り忘れしやすい部位なので、忘れないようにします。

また、髪の毛は日焼けでパサパサになることがあるので、気になる人はスプレー式のものを使い髪になじませます。唇は思いのほか日焼けするので、UVカットのリップスティックで保護します。

ランニング中は、汗などで日焼け止めは流れ落ちやすい状態になります。タオルなどで汗を拭いたりすれば、日焼け止めも一緒に拭いてしまうため効果が弱まります。LSDやトレイルランニングなどで長時間ランニングをする時は、2時間程度を目安にし、休息をとるタイミングなどで塗り直しをするようにします。


アフターケアで症状を和らげる

ランニング後のアフターケア

ランニングの後は、ほてった体を冷やし、日焼け止めを落として、日焼けした箇所が水分を失わないように、保水力のある化粧水や乳液などで肌をケアします。それと同時に、水分を補給して体内に水分を行き渡らせます。飲み物は、スポーツドリンクなどでも良いですが、ビタミンCを含み糖分の補給にもなる果汁100%のジュースがおすすめです。

日焼けついての予備知識

紫外線について

地上に降り注ぎ人体に影響を与える紫外線は、肌の奥までに達してシワやたるみの原因となる「UVA」と、肌の表面を赤くほてらせ日焼け(サンバーン)を起こし、シミやそばかすの原因となる「UVB」の2種類があります。

日焼け止めについての予備知識

日焼け止めの効果の値は、PA値が「UVA」に対しての効果を、SPF値が「UVB」に対しての効果を表しています。

PA値
「UVA」を防ぐ指標。強さに応じて、"+"の印で4段階に表示されています。

  • PA+:効果がある
  • PA++:効果がかなりある
  • PA+++:効果が非常にある
  • PA++++:効果が極めて高い

SPF値
「UVB」が起こるのを防ぐ指標で、数値が高ければサンバーンになることを遅らせることができます。紫外線の量にもよりますが、例えば「SPF50」であれば、20分で日焼けし始める人だと、約16時間(1,000分)サンバーンを遅らせる効果があるとされます。

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