アディダスが「ランニング中の安全」についてをリサーチし、女性ランナーが安全に懸念を感じていることが明らかに
アディダスは、「ランニング中の安全」に関する経験と認識について、日本を含む世界 9カ国で合計9,000人のランナーを対象にアンケート調査を実施し、その結果を発表しました。
アディダスが、2023年春の新ブランドキャンペーンで掲げる『「走りたい」だけ、あればいい。~Running needs nothing, but you~』というメッセージのもと、世界中の多くの女性ランナーがランニング時に直面している “安全への懸念” に関する意識啓発に向けた取り組みを開始します。その一環として、今回の調査の公表と変化に向けた意識啓発とアライシップ(支援)を呼びかけるフィルム『The Ridiculous Run』を発表します。
また、アディダスは女性や少女に対する暴力の抑止に取り組む非営利団体「White Ribbon」とのパートナーシップや、アディダスのグローバルランニングコミュニティ「adidas Runners」による継続的なイニシアチブ「With Women We Run」などの活動を通じて、ランニング文化を変革し、より安全でインクルーシブなスポーツ環境の実現を目指していきます。
今回の調査結果について
今回アディダスが実施した調査は、アディダスの委託により Vitreous Worldによって実施された国際調査で、回答者は、日本、中国、アメリカ、イギリス、メキシコ、アラブ首長国連邦、フランス、ドイツ、韓国の 16~34歳の年齢層に属する 9,000人(女性自認 4,500人、男性自認 4,500人)。回答時期は 2022年12月17日(土)~ 2023年1月6日(金)。
アディダスは、「ランニング中の安全」に関する経験と認識について、日本を含む世界 9カ国で合計9,000人のランナーを対象にアンケート調査を実施しました。その結果、調査に回答した女性ランナーの 92%がランニング中の自分の安全について懸念を感じていることが判明。女性ランナーの 69%が、不安解消のためにゆったりしたウェアを着用したり、自分を守ってくれそうな誰かと一緒にランニングしたりするなど、安全にランニングを行うために具体的な予防策を講じていると回答し、女性ランナーが直面している課題が浮き彫りとなりました。
また、ランニング中に身体的な危害を受けることを恐れている男性ランナーは 28%であったのに対し、女性ランナーでは約2倍の 51%に上りました。身体もしくは言葉でのハラスメントを実際に経験したことがある女性ランナーは 38%で、そうした女性ランナーのうち半数以上が望まない注視(56%)、性差別発言または望まない性的注視(55%)、クラクションによる囃し立て(53%)、つきまとい(50%)を受けたことがあると回答しました。
さらに、ハラスメント被害の経験がある人のうち、「強い不安を感じた」と回答した男性ランナーは 38%である一方、女性ランナーでは半数以上(53%)となり、男性ランナーよりも女性ランナーが心身の影響に苦しめられる傾向が現れています。加えて、ハラスメント被害の結果、ランニングへの関心を失った男性ランナーは 33%であったのに対し、女性ランナーは 46%に上り、再び被害に遭うのではないかという不安な気持ちが強まっている男性ランナーは 30%、女性ランナーでは 40%という結果でした。
日本における回答について
日本での調査は、アディダスの委託によりVitreous Worldによって実施された国際調査。回答者は、日本で 16~34歳の年齢層に属する 1,000人(女性自認 500人、男性自認 500人)。回答時期は 2022年12月17日(土)~ 2023年1月6日(金)。
日本においては、「安全に走るために具体的な予防策を講じている」と回答した女性ランナーは 63%に対し、男性ランナーは 43%にとどまりました。不安を感じる理由として一番多く挙げられた回答は、暗い場所(56%)、続いて身体的なハラスメント(24%)、言葉でのハラスメント(15%)となりました。
安全への責任に関する質問では、女性は「女性自身の責任である」という回答(24%)が最も多かった一方で、男性ランナーは女性の責任(19%)、自治体の責任(18%)と回答。また、女性ランナーが安全に走ることができる環境をつくるためには、個人の姿勢が大事であるという理由から、男性に責任があると答えた男性ランナーは 13%で、同じように答えた女性ランナー(10%)よりも多い結果となりました。
『The Ridiculous Run』フィルム概要
女性が安心して走ることができるようになるには、考え方だけではなく、行動変革も必要であるということが調査結果から分かりました。実際に、男性の 62%が問題を認識している一方で、その問題に対する責任が男性にあると考えている男性は 18%にとどまっています。本フィルムは、ランニングのたびに女性が直面している現実について、すべての人が認識を深め、アライシップについて学ぶきっかけとなるよう制作されました。
イヤフォンの片耳着用から、ゆったりしたウェア選び、全力で守ってくれるチームのランナーやバイカー、車のエスコートに至るまで、ここまでしなければ女性が安心してランニングできる環境が作れないという「おかしな(Ridiculous)」現実を描き出すことで、この環境を変えてゆくためのサポートを呼びかけます。
『The Ridiculous Run』掲載 With Women We Run特設サイト
https://adidas.com/withwomenwerun
今回の取り組みに関する関係者コメント
ウンベルト・コロロ
(White Ribbonエグゼクティブディレクター)
アディダスとともに、私たちはジェンダーに基づくあらゆる形の暴力と差別をきっぱりと終わらせることに一歩近づけるでしょう。男性は、世界中で女性に対する暴力を実際に変えていくため、どうか私たちが提供しているツールを使って行動を起こしてください。ランニングはあらゆる人のためのスポーツであり、だからこそ誰もがスポーツにもっと安心して没頭できるよう私たちは力を尽くしていきます。
シーナ・ノイブラント
(アディダス ウィメン グローバルコミュニケーションズ ディレクター)
スポーツは平等であるべきであり、その実現には安全性が不可欠だと私たちは考えています。私たちのコミュニティと調査結果から、女性とランニングに関して最も議論の的になるトピックは安全性であることが分かりました。そして残念ながら、今もなお女性の安全は自己責任であると考えられています。この問題への取り組みはいわば短距離走ではなくマラソンであり、私たちのキャンペーンは一夜にして解決を見ることはありません。それでも、より多くの男性にアライ(支援者)としての役割を自覚するよう促すことができれば、私たちは進歩を、うまくいけば変革を作り出せると信じています。
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