高温多湿の深夜に行われ、サバイバルレースになった世界陸上 女子マラソンレースの結果

カタールのドーハで開催されている、第17回世界陸上競技選手権大会の女子マラソンが、2019年9月28日(土)に行われました。

スタートは、27日の23時59分予定だったものが少し遅れ、日をまたぎ28日0時1分に号砲が鳴りました。深夜にも関わらず、スタート時刻の気温は30度、湿度92%という、選手には過酷な環境でのレースとなりました。

コースは、ドーハ湾の海岸線に設けられたフラットな片道3.5kmの往復する7kmのコースを6往復(42km)と、プラス195m。夜開催のため照明がコースを照らしますが、美しい海岸線などの風景は見えないため、単調な道のりとなり、選手のメンタルに与える影響があると考えられます。

第17回世界陸上競技選手権大会 女子マラソンコースTBS「世界陸上ドーハ ハイライト」放送より

【目次】

レース結果

レースは、2時間32分43分でケニアのルース・チェプンゲティッチが優勝をしました。後続には約1分の差をつけたものの、過酷な環境下のレースだったため、タイム的には遅いものとなりました。

2位は 2時間33分46秒でローズ・チェリモ(バーレーン)が入り、3位は 2時間34分15秒でヘラリア・ジョハネス(ナミビア)が入りました。

日本勢では、7位に谷本観月が入り、日本人としては2大会ぶりの入賞を獲得しています。中野円花は12位、池満綾乃は途中棄権でした。

今回のレースでは、暑さと湿度の影響で消耗戦となり出走選手68人のうち40人が完走、28人が途中棄権し、完走率58,8%のサバイバルレースとなりました。日本の池満綾乃も、30km過ぎで棄権をしています。

レース結果
  • 1位
    2:32:43 ルース・チェプンゲティッチ(ケニア)
  • 2位
    2:33:46 ローズ・チェリモ(バーレーン)
  • 3位
    2:34:15 ヘラリア・ジョアンネス(ナミビア)
  • 4位
    2:35:36 エドナ・キプラガト(ケニア)
  • 5位
    2:36:21 ウォルハ・マズロナク(ベラルーシ)
  • 6位
    2:38:44 ロベルタ・グロナー(米国)
  • 7位
    2:39:09 谷本観月(日本)
  • 8位
    2:41:24 ジヒャン キム(北朝鮮)
  • 11位
    2:42:39 中野円花(日本)
  • DNF 池満綾乃(日本)

全選手の順位とタイムは、下記のURLでご覧になれます。
https://www.worldathletics.org/results/world-athletics-championships/2019/iaaf-world-athletics-championships-doha-2019-7125365/women/marathon/final/result

レース経過

高温多湿という過酷な気候の中で行われたレースは、スローペースで展開されました。15kmを過ぎる頃からは棄権する選手も現れ始め、サバイバルレースの様相を見せます。

トップ争いでは、15kmで5人、25km過ぎに4人になった先頭集団が、35kmにある給水所をきっかけに一気にばらけると、R.チェプンゲティッチが独走態勢にはいり、そのままゴールテープを切りました。

レース展開
  • START
    68人の選手が一斉にスタート。ペースはスローペース。
  • 1km
    S.トロフィモワ(中立選手)が一人で先行し、後続は縦に伸びつつも集団を形成。
  • 5km
    18分21秒で通過。日本勢は、30秒遅れで3選手がまとまって通過。
  • 10km
    36分44秒で通過。日本勢は、1分09秒遅れの37分55秒で3選手がまとまって通過。
  • 15km
    54分01秒で、R.チェプンゲティッチ、E.キプラガト、V.ジェプケショ、H.ジョアンネス、R.チェリモの5名が先頭集団で通過。日本勢は、約3分遅れの57分04秒で3選手がまとまって通過。順位は、21位、22位、26位。棄権する選手が増えてくる。
  • 17km
    有力選手のR.アガが途中棄権。
  • 20km
    1時間12分34秒で通過。先頭集団の5名は変わらず。日本勢はばらけ、1時間16分01秒の谷本、続いて9秒遅れて中野、その後に27秒遅れて池満の順で通過。
  • 25km
    1時間31分01秒で通過。先頭集団より、V.ジェプケショが遅れる。谷本は13位、中野は16位。池満は中野から約3分遅れ 21位。
  • 30km
    1時間49分13秒で通過。集団はR.チェプンゲティッチ、E.キプラガト、H.ジョアンネス、R.チェリモの4人。谷本は10位、中野は16位。谷本は30km過ぎに2人抜き8位に順位を上げる。池満は34位で30kmを通過するも間もなく途中棄権。
  • 32km
    5位を走っていたL.サルペーターが棄権したため、谷本が7位に上がる。
  • 35km
    2時間07分23秒で通過。35kmの給水所の直後に、先頭集団の4人がばらける。R.チェプンゲティッチ、R.チェリモ、E.キプラガト、H.ジョアンネスの順でになる。R.チェプンゲティッチは、後続に大きく差をつけていく。
    日本勢は、谷本が7位、中野が14位で通過。谷本がサングラスを取り心機一転する。6位のR.グロナーまでは、26秒差。
  • 40km
    2時間24分52秒で R.チェプンゲティッチがトップで通過。30秒遅れでR.チェリモが続く。谷本は7位、中野が12位で通過。
  • FINISH
    R.チェプンゲティッチが、2時間32分43秒で優勝。2位に2時間33分46秒 でR.チェリモ、3位に2時間34分15秒 H.ジョアンネスが入った。谷本は7位で入賞、中野は粘りの走りを見せて11位まで順位を上げてゴールした。