梅雨明けの暑さに順応して走るための、2022年夏の暑熱順化対策

6月も後半に入ると蒸し暑い日も徐々に増えてくるため、暑さが原因の体調不良に陥ることがあります。これは、カラダが急激な気温の上昇に慣れていないため、カラダの熱をうまく外に逃がすことができないために起こります。一般財団法人 日本気象協会(日本気象協会)では、夏の本格的な暑さを迎える前にできる熱中症対策として、カラダを暑さに慣れさせる「暑熱順化(しょねつじゅんか)」への理解を広げるために『熱中症ゼロヘ 暑熱順化前線(第2回)』を、2022年6月16日(木)に公開しました。

公開された『熱中症ゼロヘ 暑熱順化前線』は、各地域で暑熱順化が必要になるタイミングを目安として示すものです。

暑熱順化前線2022年2回

夏の暑さに適応するには、暑さに体を慣れさせる「暑熱順化」をすることが大切です。体が暑さに対応できていないと、体の熱をうまく外に逃がすことができず、熱中症になる危険性が高まります。「暑熱順化」には個人差もありますが、数日から 2週間程度かかります。また、一度暑さに順化ができていても、数日暑さから離れると効果は薄れてしまいます。

日常生活でできる暑熱順化するための動きや生活

「暑熱順化」は、無理のない範囲で汗をかくことがポイントになります。軽い運動や湯船に浸かる入浴で意識して汗をかき、カラダを暑さに慣らしていきます。ランナーの場合は走ることで汗をかくため、「暑熱順化」へのアプローチは実行しやすいですが、暑さの中ではパフォーマンスの低下が起こります。普段より距離が延ばせなかったり、タイムが落ちることがありますが、無理をせず、まずはカラダを暑さに慣らすことを目的とした、低負荷のトレーニングを優先して実践すると良いでしょう。

熱中症について

【東京・2021年7月】梅雨明け前後の熱中症救急搬送者数と日最高気温

「熱中症」について特に注意したいのが、体が暑さに慣れていない状態で、暑い日が続くタイミングです。2021年は 7月中旬から下旬にかけて各地で梅雨明けし、梅雨明け後の救急搬送者数は、梅雨明け前の約1.8倍に増加しています。

「熱中症」はいつでも、どこでも、だれでも条件次第でかかる可能性がありますが、正しく対策を行うことで防ぐことができます。ランニングは、気温が高く日差しのある日中を避けたり、日陰の多い公園などで行うと良く、キャップなどで日差しを遮ることでも対策になります。また、ランナーは熱中症に加えて汗で体内の水分を奪われるため、脱水症にも注意が必要になります。スポーツドリンクなどでのこまめな給水を実践していくことで、脱水症の予防につながります。

梅雨明けの時期について

2021年の梅雨明けは、沖縄・奄美地方(7月3日)と四国地方(7月19日)を除く各地で 7月11日から 7月17日となりました。2022年は、6月20日(月)に沖縄地方の梅雨明けが発表され、昨年よりも早い傾向があります。日本気象協会所属の気象予報士の久保智子氏は『7月は、太平洋高気圧の張り出しが強まるため、梅雨明けは各地で平年より早いでしょう。昨年の夏も、全国的に平年より早い梅雨明けとなりましたが、今年はさらに早まる所もありそうです。梅雨明け後は晴れて厳しい暑さとなるため、いつもより早い時期から熱中症対策が必要です。』と指摘しています。